歯石で出血が止まらない…原因と正しい対処法を専門医が解説

歯石とは何か?なぜ出血を引き起こすのか?
歯石とは、歯垢(プラーク)が唾液中のカルシウムやリンと結びついて石灰化したものです。表面がザラザラしているため細菌が集まりやすく、歯茎に炎症を起こして出血の原因となります。
プラーク1mgあたりに1億個以上の細菌が含まれており、この細菌が産生する毒素が歯肉の腫れや出血を引き起こします。
歯石は一度形成されると、歯ブラシでは除去できません。歯科医院での専用器具による処置が必要です。
成城学園前駅徒歩1分の歯医者 岩野歯科クリニック
歯ぐきからの出血が続いている方へ
出血が続く背景には、歯石の付着による歯ぐきの炎症があることが多く見られます。当院では歯周病専門医が原因を確認します。
歯肉縁上歯石と歯肉縁下歯石の違いは?
歯石は付着する場所によって2種類に分類されます。
- 歯肉縁上歯石…歯茎より上に付着する白〜黄色の歯石。比較的柔らかく除去しやすい。
- 歯肉縁下歯石…歯周ポケット内に付着する赤黒い歯石。血液成分を含み非常に硬く、除去に複数回の処置が必要なことも多い。
特に歯肉縁下歯石は歯周病の進行と深く関係しており、専門的な歯周治療(SRP)が必要となります。

歯石を取ると血が出るのはなぜか?出血の主な原因
歯石除去時の出血は、ほとんどの場合「歯茎の炎症」が原因です。器具で歯茎を傷つけているわけではありません。
炎症を起こした歯茎は粘膜が非常に敏感になっており、軽く触れるだけでも出血します。一方、健康な歯茎は歯石除去を行っても出血することはほとんどありません。
出血が起こる3つのメカニズム
- 歯肉炎・歯周炎による炎症…歯石に集まった細菌の毒素が歯茎を刺激し、炎症が慢性化。炎症部位は血管が拡張し、わずかな刺激でも出血しやすい状態になっています。
- 歯肉縁下歯石除去時の不良肉芽除去…歯周ポケット内の処置では、傷んだ歯茎組織(不良肉芽)も除去するため、必然的に出血が生じます。数日で治まります。
- 血液をサラサラにする薬の影響…抗凝固薬・抗血小板薬を服用中の方は、歯石除去後に血が止まりにくいことがあります。必ず初診時に服薬情報を伝えてください。
出血は「歯茎からのSOS」です。痛いからと放置すると、歯石と細菌がさらに蓄積し、歯周病が悪化します。
歯石による出血を放置するとどうなるのか?
歯石による出血を放置すると、歯周病が進行し、最終的には歯を失うリスクがあります。
歯周病が進行すると歯槽骨(歯を支える骨)が溶けてグラグラになり、歯が抜けてしまうことがあります。喫煙者は非喫煙者と比較して歯周病に3倍以上罹りやすいともされています。
歯石・歯周病が引き起こす症状の進行
- 初期…歯茎の腫れ・出血・口臭
- 中期…歯茎の退縮・歯周ポケットの深化・膿が出る
- 重度…歯槽骨の吸収・歯のぐらつき・歯の喪失
歯周病は自覚症状が少ないまま進行する病気です。出血という重要なサインを見逃さないことが、歯を守る第一歩となります。

歯石除去後の出血はいつ止まるのか?自宅でできる対処法
歯石除去後の出血は、多くの場合は当日中〜数日以内に落ち着きます。1週間程度は様子を見てください。
ただし、処置後1週間以上経過しても出血や痛みが続く場合は、早めに歯科医院を受診することが重要です。
自宅でできる正しいケア方法
- やわらかめの歯ブラシを使う…炎症部位への刺激を最小限に抑えます。硬い歯ブラシは逆効果です。
- 優しく・丁寧に磨く…力を入れすぎず、毛先を歯と歯茎の境目に当てて細かく動かします。
- 強いうがいを避ける…強くゆすぐと出血が増えることがあります。
- デンタルフロス・歯間ブラシを活用する…歯ブラシだけでは落としきれない歯間の汚れを除去し、炎症の再発を防ぎます。
- 喫煙を控える…タバコは歯周病を悪化させる重大な因子です。禁煙が歯茎の回復を促進します。
歯石除去後は「念入りに磨かなければ」と力が入りがちですが、炎症が落ち着くまでは優しいケアが最優先です。
歯科医院での歯石除去・治療はどのように行われるのか?
歯科医院での歯石除去には、スケーリング・SRP・PMTC・エアフローなど複数の方法があります。歯周病の進行度に応じて適切な処置が選択されます。
歯石は自分で取ることができないため定期的な歯科受診が必要であり、PMTC(歯石除去・歯面清掃)が有効であると明記されています。
各治療メニューの特徴
- スケーリング…スケーラーを使って歯の表面や歯茎周囲の歯石・歯垢を除去します。歯肉縁上歯石が主な対象です。
- SRP(スケーリング・ルートプレーニング)…歯周ポケット内の歯肉縁下歯石を除去し、歯根面を滑らかに整えます。歯周病が進行している場合に実施します。
- PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)…専用機器で歯の表面・歯間・歯茎周囲を専門的にクリーニング。毎日の歯磨きでは落としきれないバイオフィルムを除去します。
- エアフロー…微粒子パウダーをジェット噴射し、茶渋・コーヒー・ワイン・タバコによる着色汚れ(ステイン)を歯面を傷つけにくい方法で除去します。
治療の流れ(歯周病が進行している場合)
- 口腔内検査・歯周ポケット測定
- ブラッシング指導(TBI)…歯ブラシ・デンタルフロス・歯間ブラシの正しい使い方を個別指導
- スケーリングによる歯肉縁上歯石の除去
- 必要に応じてSRPによる歯肉縁下歯石の除去
- PMTCによる歯面クリーニング・バイオフィルム除去
- 定期メインテナンス(3か月ごとを推奨)

歯石が付きやすい人の特徴と予防法は?
歯石の付きやすさには個人差があり、唾液の質・磨き残しの量・生活習慣が大きく影響します。
唾液中のカルシウム濃度が高い方や、歯磨きが不十分な方は歯石が形成されやすい傾向があります。どれだけ丁寧に磨いても少量の歯垢が残れば石灰化するため、定期的な歯科クリーニングが欠かせません。
歯石の除去とその後の管理まで対応します
歯石は歯みがきでは落とせません。当院では検査で状態を把握したうえで除去し、担当の歯科衛生士が再付着を防ぐケアをご案内します。
歯石を付きにくくするための生活習慣
- 毎食後の歯磨き…歯垢は食後8時間程度で石灰化が始まります。食後できるだけ早く磨くことが重要です。
- デンタルフロス・歯間ブラシの併用…歯ブラシだけでは歯間の汚れは60〜70%しか除去できません。フロスや歯間ブラシを加えることで清掃効率が大幅に向上します。
- 禁煙…喫煙は唾液の分泌を減らし、歯石の形成を促進します。
- 糖尿病などの全身疾患の管理…糖尿病は歯周病を悪化させる相互関係があります。全身の健康管理が口腔ケアにも直結します。
- 3か月ごとの定期検診…自宅ケアでは除去できない歯石を定期的にリセットすることが、歯周病予防の基本です。
成城・世田谷区で歯石除去・歯周病治療を受けるなら
岩野歯科クリニックは、東京都世田谷区成城に所在し、小田急線「成城学園前駅」北口から徒歩1分でアクセスできます。
当院では担当歯科衛生士制を採用しており、一人ひとりの口腔内の変化を継続的に把握しながら、スケーリング・SRP・PMTC・エアフロー・ブラッシング指導(TBI)を組み合わせた総合的な予防歯科メニューを提供しています。
歯肉縁上歯石・歯肉縁下歯石の両方に対応し、歯周病が進行している方にはSRPを実施します。また、3か月ごとの定期メインテナンスを推奨しており、担当衛生士が口腔内の状態を継続的に確認しながら、セルフケア方法や生活習慣についてもアドバイスを行います。
成城・祖師ヶ谷大蔵・喜多見・狛江・経堂・千歳船橋・世田谷区内など広域から多くの患者様にご来院いただいています。歯石による出血・歯茎の腫れ・口臭が気になる方は、お気軽にご相談ください。

よくある質問
歯石を取った後、出血はいつ止まりますか?
多くの場合、歯石除去当日〜数日以内に出血は落ち着きます。1週間以上続く場合は歯科医院を受診してください。炎症が強い場合は複数回の処置が必要なこともあります。
歯石除去で出血するのは歯茎を傷つけているからですか?
いいえ、ほとんどの場合は歯茎の炎症が原因です。器具で傷つけているわけではありません。健康な歯茎であれば歯石除去で出血することはほとんどありません。
歯石除去後の歯磨きはどうすればよいですか?
やわらかめの歯ブラシを使い、優しく丁寧に磨いてください。力を入れすぎると出血が増えます。デンタルフロスや歯間ブラシも併用すると効果的です。
血液をサラサラにする薬を飲んでいますが、歯石除去を受けても大丈夫ですか?
受診可能ですが、必ず初診時に服薬情報を伝えてください。抗凝固薬・抗血小板薬を服用中の方は血が止まりにくいことがあるため、翌日以降も出血が続く場合は受診が必要です。
歯石はどのくらいの頻度で取ればよいですか?
3か月ごとの定期クリーニングが推奨されています。歯石が付きやすい方や歯周病が進行している方は、より短い間隔での受診が効果的です。
歯石除去は保険適用になりますか?
スケーリング(歯石除去)は保険診療の対象です。ただしPMTCやエアフローなど一部のクリーニングメニューは自由診療となる場合があります。詳細は歯科医院にご確認ください。
歯石を放置するとどうなりますか?
歯周病が進行し、歯槽骨(歯を支える骨)が溶けて歯がぐらつき、最終的には歯を失うリスクがあります。口臭・歯茎の退縮・膿なども引き起こします。
歯磨きをしっかりしていても歯石はできますか?
はい、できます。唾液の質によって歯石が付きやすい方もおり、どれだけ丁寧に磨いても少量の歯垢が残れば石灰化します。定期的な歯科クリーニングが不可欠です。
歯石除去は痛いですか?
歯茎の炎症が強い場合は痛みやチクチク感を感じることがあります。歯肉縁下歯石の除去では表面麻酔や局所麻酔を使用することが多く、痛みを軽減できます。
歯石除去後に歯がしみるのはなぜですか?
歯石が除去されて歯根面が露出することで、一時的に知覚過敏が生じることがあります。多くの場合は数日〜数週間で落ち着きますが、長引く場合は歯科医院にご相談ください。
結論
歯石による出血は「歯茎の炎症」のサインであり、放置すると歯周病が進行して歯を失うリスクがあります。出血が気になる方はまず歯科医院でスケーリングを受け、炎症の根本原因を取り除くことが最優先です。治療後は3か月ごとの定期メインテナンスと、デンタルフロス・歯間ブラシを組み合わせた日常ケアを継続することで、歯石の再付着と歯周病の再発を防ぐことができます。
岩野歯科クリニック(世田谷区成城)
歯ぐきからの出血や歯石のご相談を承っています。歯周病専門医と担当衛生士が、原因の確認から日々のケアまでサポートします。成城学園前駅北口より徒歩1分。
〒157-0066 東京都世田谷区成城6-8-1 鎌倉ビル1・2階/休診日:日曜・祝日/予約制
院長
岩野 義弘

経歴
1999年新潟大学歯学部卒業1999年日本大学歯学部歯周病学講座入局2005年歯科インプラント科兼任2012年日本大学歯学部歯周病学講座退局2012年岩野歯科クリニック開院2014年日本大学歯学部兼任講師2025年日本大学歯学部臨床教授2025年東京科学大学大学院 医歯学総合研究科
口腔再生再建学分野/口腔インプラント科 非常勤講師2025年国際インプラント学会
ITI(International Team for Implantology)フェロー
所属学会・資格
- 歯学博士
- 日本歯周病学会 評議員・指導医
- 日本歯科専門医機構認定 歯周病専門医
- 日本口腔インプラント学会 代議員・指導医・専門医
- 日本臨床歯周病学会 認定医
- アメリカ歯周病学会 会員
- OJ(Osseointegration Study Club of Japan) 理事
- 日本インプラント臨床研究会 専務理事・サイエンス委員会委員長
