歯石が歯茎の中に!原因・症状・除去方法を歯周病専門医が解説

「歯茎から血が出る」「口臭が気になる」「歯茎が下がってきた気がする」——そんなお悩みを抱えていませんか?もしかすると、歯茎の中に歯石が溜まっていることが原因かもしれません。
歯茎の中の歯石(縁下歯石)は、通常の歯磨きでは除去できず、放置すると歯周病が静かに、そして確実に進行します。重要なのは、早期に歯科医院でしっかり取り除くことが歯を守る第一歩になるという点です。
この記事では、歯茎の中の歯石がなぜ生じるのか、どんな症状が出るのか、歯科での除去方法はどのようなものかを、歯周病専門医の視点からわかりやすくお伝えします(症状や経過には個人差があります)。
- ✅ 歯茎の中の歯石(縁下歯石)とは何か、どこに溜まるのか
- ✅ 放置するとどうなるか、気づきにくい症状とサイン
- ✅ 歯科での除去方法と、自分でできる予防ケアのポイント
- ◦ 目次
- ▸ 歯茎の中の歯石に気づいていますか?よくある悩みと症状
- ◦ 「歯磨きしているのに歯周病が進む」その理由
- ◦ 見逃しやすい!歯茎の中の歯石が引き起こすサイン
- ◦ 縁上歯石と縁下歯石——どう違うのか
- ▸ なぜ歯茎の中に歯石ができるのか?原因と仕組み
- ◦ 歯石ができるメカニズム
- ◦ 歯石が溜まりやすい場所はどこ?
- ▸ 歯茎の中の歯石を放置するとどうなる?進行のリスク
- ◦ 歯周病が進行する仕組み
- ◦ 全身健康への影響も指摘されている
- ◦ よくある誤解:「歯石は自分で取れる」は本当か
- ▸ 歯科での縁下歯石の除去方法と治療の流れ
- ◦ まずは検査・歯周ポケットの測定から
- ◦ スケーリング・ルートプレーニング(SRP)とは
- ◦ 歯周外科手術が必要なケースもある
- ▸ 自分でできる予防ケアとブラッシング法
- ◦ 歯石をつくらせないための毎日のケア
- ◦ スクラビング法でしっかり磨くコツ
- ◦ 歯間ケアと定期的なプロフェッショナルクリーニング
- ▸ 岩野歯科クリニックの歯周病・歯石治療へのこだわり
- ▸ よくある質問(FAQ)
- ▸ まとめ:歯茎の中の歯石は早めの受診が大切
- ◦ 歯茎の中の歯石・歯周病のことなら岩野歯科クリニックへ
目次
歯茎の中の歯石に気づいていますか?よくある悩みと症状
「歯磨きしているのに歯周病が進む」その理由
毎日しっかり歯を磨いているつもりなのに、「歯茎から血が出る」「口臭が続く」「歯茎がなんとなく腫れている」という状態が続くことがあります。こうした場合、多くのケースで歯茎の中(歯周ポケット内)に歯石が溜まっていることが一因として考えられます。
歯茎の外側(歯の見える部分)についた歯石は鏡でも確認できますが、歯茎の中に入り込んだ歯石は目で見ることができません。そのため「ちゃんと磨いているはずなのに」と感じながらも、問題が解消されないという状況が生まれやすいのです。
見逃しやすい!歯茎の中の歯石が引き起こすサイン
歯茎の中の歯石(縁下歯石)がある場合、次のようなサインが現れることがあります。ただし、これらの症状は他の原因でも起こりうるため、気になる場合は歯科医院での検査を受けることをおすすめします(症状や程度には個人差があります)。
- 歯磨き時に歯茎から血が出る(歯肉出血)
- 歯茎が赤く腫れている、触ると痛い
- 口臭が気になる、または指摘されたことがある
- 歯と歯茎の間に違和感・ムズムズ感がある
- 歯茎が下がって歯が長く見えるようになった
- 歯がグラグラする感じがある
これらは歯周病が進行しているサインである可能性があります。「痛くないから大丈夫」と思いがちですが、歯周病は痛みを感じにくいまま進行することが多く、気づいたときには歯を支える骨(歯槽骨)にまで影響が及んでいるケースも少なくありません。
縁上歯石と縁下歯石——どう違うのか
歯石には大きく2種類あります。歯茎の外(歯の見える部分)についた「縁上歯石」と、歯茎の中・歯周ポケット内についた「縁下歯石」です。縁上歯石は白〜黄白色で比較的柔らかいのに対して、縁下歯石は血液成分を含むため黒褐色で非常に硬くなりやすいという特徴があります。縁下歯石は歯根面にしっかりと付着しており、除去が難しい点でも縁上歯石とは大きく異なります。
なぜ歯茎の中に歯石ができるのか?原因と仕組み
歯石ができるメカニズム
歯石は、口の中に存在する細菌の塊「プラーク(歯垢)」が唾液中のカルシウムやリン酸と結びついて石灰化したものです。プラークは柔らかいため歯磨きで除去できますが、石灰化が始まると数日〜2週間程度で硬い歯石に変わっていきます。一度歯石になると、歯磨きだけでは取り除けません。

プラークが歯石に変わるまでの時間は個人差があります。唾液の性質や量、食事内容、口腔内の環境によって石灰化の速さが異なるため、歯石が溜まりやすい人とそうでない人がいます。定期的なクリーニングが重要なのはこのためです。
歯茎に炎症が起きると、歯と歯茎の間の溝(歯周ポケット)が深くなります。健康な歯周ポケットの深さは1〜3mm程度とされていますが、炎症が続くと4mm以上に深くなり、その中にプラークや歯石が溜まりやすくなります。深くなればなるほど、ご自身のブラッシングでは届かない領域が増えていきます。
歯茎の中の縁下歯石は、歯肉溝滲出液(歯茎から染み出す液)や歯周組織からの出血が混ざって石灰化するため、黒〜黒褐色になります。縁上歯石よりも硬く、歯根面にしっかり付着しているため、除去には専門的な器具と技術が必要です。
歯石が溜まりやすい場所はどこ?
縁下歯石は全ての歯の歯周ポケット内に形成される可能性がありますが、特に歯ブラシが届きにくい奥歯や歯の裏側(下顎の前歯の裏など)に溜まりやすい傾向があります。また、すでに歯周病が進行している部位ではポケットが深いため、より多くの縁下歯石が蓄積しやすいといわれています。
歯茎の中の歯石を放置するとどうなる?進行のリスク
歯周病が進行する仕組み
縁下歯石の表面には非常に多くの細菌が付着しており、これらの細菌が出す毒素(エンドトキシンなど)が歯茎や歯槽骨(歯を支える骨)を破壊します。初期の歯周病(歯肉炎)の段階では歯茎の炎症だけで済みますが、放置すると歯槽骨が溶け始める歯周炎の段階へと進行します。
歯槽骨が失われると元に戻すことが難しくなるため、早期発見・早期対処が重要です。「痛くないから放置していた」というケースで、気づいたときには歯がグラグラしていた——というご相談も少なくありません。
全身健康への影響も指摘されている
歯周病は口の中だけの問題にとどまらず、全身の健康に影響を与える可能性が研究で指摘されています。糖尿病・心疾患・脳血管疾患・誤嚥性肺炎などとの関連が報告されており、特に糖尿病と歯周病は相互に悪影響を与え合うとされています。口腔内の健康を保つことは、全身の健康管理の一環として考えることが大切です。
⚠ 注意:「痛みがない=問題ない」ではありません
歯周病は痛みを感じにくいまま進行することが多い疾患です。自覚症状がないからといって放置していると、歯を支える骨が大きく失われてから気づくケースもあります。出血・腫れ・口臭など少しでも気になるサインがあれば、早めに歯科医院での検査を受けることをおすすめします。
よくある誤解:「歯石は自分で取れる」は本当か
インターネットや動画で「歯石を自分で取る方法」を紹介しているコンテンツを見かけることがありますが、縁下歯石(歯茎の中の歯石)をご自身で取り除くことは実質的に不可能です。縁上歯石でさえ、市販の器具で無理に取ろうとすると歯茎を傷つけたり、歯石の一部が残って逆に表面が粗くなったりすることがあります。特に歯茎の中の歯石は専門の器具と技術が必要であり、歯科医院での処置が不可欠です。
歯科での縁下歯石の除去方法と治療の流れ
まずは検査・歯周ポケットの測定から
縁下歯石の治療は、まず現状の把握から始まります。歯科医院では「プロービング(歯周ポケット検査)」と呼ばれる検査を行い、歯周ポケットの深さ・出血の有無・歯の動揺度などを丁寧に確認します。必要に応じてレントゲン・歯科用CTを撮影し、歯槽骨の状態を立体的に把握することもあります。
これらの検査結果をもとに、一人ひとりに合った治療計画を立てていきます。歯周ポケットの深さや歯石の量・部位によって、治療の進め方は異なります(個人差があります)。
スケーリング・ルートプレーニング(SRP)とは
縁下歯石の主な除去方法が、「スケーリング」と「ルートプレーニング」です。スケーリングは専用の器具(スケーラー)を使って歯石を取り除く処置で、歯茎の外側の歯石を取り除くことを主に指します。縁下歯石に対しては、さらに「ルートプレーニング」という処置を行います。ルートプレーニングは、歯茎の中の歯根面に付着した歯石・汚染されたセメント質を丁寧に除去し、歯根面をなめらかに整える処置です。
歯根面を滑らかにすることで細菌が再付着しにくい環境を整えることができます。処置後は歯茎の炎症が落ち着き、ポケットが浅くなることが期待されます(個人差があります)。
歯周外科手術が必要なケースもある
歯周ポケットが深い場合(目安として5〜6mm以上など、状況により異なります)、スケーリング・ルートプレーニングだけでは歯茎の中の歯石を完全に取り除けないことがあります。そのような場合は、歯茎を切開して歯根面を直接見ながら歯石を除去する「歯周外科手術(フラップ手術など)」が必要になることがあります。外科的な処置は侵襲が伴いますが、深部の縁下歯石を取り除くためには有効な方法とされています。
また、歯周病で失われた骨を再建する「歯周組織再生療法」などの外科的アプローチも状況に応じて検討されます。治療法の選択は検査結果と患者様の状態を踏まえて専門医が判断します。
自分でできる予防ケアとブラッシング法
歯石をつくらせないための毎日のケア
縁下歯石の予防は、その元となるプラーク(歯垢)を日々の歯磨きでしっかり除去することから始まります。プラークは柔らかい間は歯磨きで落とせますが、放置すると石灰化して歯石に変わるため、毎日のブラッシングの質がとても重要です。
特に歯と歯茎の境目(歯頸部)は歯石が溜まりやすい場所です。ここを丁寧に磨くことが歯周病予防の基本となります。
スクラビング法でしっかり磨くコツ
歯と歯茎の境目を効果的に磨くには、歯ブラシを歯に対して直角(90度)に当てて小刻みに動かす「スクラビング法」が基本として広く用いられています。歯ブラシの毛先を歯の面にしっかり当て、1〜2歯ずつ小さく細かく振動させるように動かします。力を入れすぎると歯茎を傷つけることがあるため、軽い力で丁寧に行うことがポイントです。
ただし、歯並びや歯茎の状態によって適切なブラッシング法は異なります。自分に合った磨き方は歯科医院でのブラッシング指導で確認することが大切です。
歯間ケアと定期的なプロフェッショナルクリーニング
歯と歯の間はブラシだけでは届きにくいため、デンタルフロスや歯間ブラシの活用が効果的です。就寝前にフロスを使う習慣をつけるだけで、歯間部のプラーク量を大幅に減らすことが期待できます(個人差があります)。
また、どれだけ丁寧に磨いても、磨き残しは必ず生じます。3〜6か月に一度の定期的な歯科クリーニングで、ご自身では落としきれないプラーク・歯石を専門的に除去することが、歯石の蓄積を防ぎ、歯周病を予防するうえで非常に大切です(推奨頻度は個人の口腔内の状態によって異なります)。
⚠ ブラッシング圧に注意!
歯をしっかり磨こうと力を入れすぎると、歯茎が傷ついたり歯が削れたりすることがあります(歯肉退縮・楔状欠損)。歯ブラシは鉛筆持ちで持ち、やさしく動かすことを意識しましょう。適切なブラッシング法については歯科医院での指導を受けることをおすすめします。
岩野歯科クリニックの歯周病・歯石治療へのこだわり
東京都世田谷区成城にある岩野歯科クリニックでは、院長・岩野義弘が歯周病専門医とインプラント専門医のWライセンスを保有し、歯周病を深く熟知した視点から歯石除去・歯周病治療を行っています。
- ●歯周病専門医による精密な診断と治療計画
院長は日本大学歯学部歯周病学講座で13年間の臨床・研究・教育を積み、歯周病学の専門的な知識と経験を地域医療に還元しています。歯周ポケットの状態を正確に評価し、患者様お一人おひとりに合った治療計画をご提案します。 - ●歯科用CT・口腔内3Dスキャナーで精密検査
歯科用CT・口腔内3Dスキャナーを導入しており、歯槽骨の状態や歯石の付着状況を詳細に確認したうえで治療に臨むことができます。各診療室のモニターで検査画像を映しながら丁寧に説明いたします。 - ●大学病院レベルの滅菌体制で安心の環境
バックフラッシュシステム・ホルマリンガス滅菌器などを導入し、患者様ごとにタービン類をすべて滅菌する徹底した院内感染対策を行っています。 - ●MIコンセプト(できるだけ削らない・抜かない)
歯周病治療においても、できるだけ歯を残すことを優先した治療を心がけています。他院で「抜歯しかない」と言われた方のセカンドオピニオンも積極的に受け付けています。

よくある質問(FAQ)
まとめ:歯茎の中の歯石は早めの受診が大切
- ✅ 歯茎の中の歯石(縁下歯石)は黒褐色で硬く、セルフケアでは除去できない
- ✅ 放置すると歯周病が進行し、歯槽骨(歯を支える骨)が失われるリスクがある
- ✅ 歯科での除去方法はスケーリング・ルートプレーニングが基本。深い場合は外科処置になることも
- ✅ スクラビング法などで丁寧なブラッシングと歯間ケアを習慣にすることが予防の基本
- ✅ 3〜6か月ごとの定期クリーニングで歯石の蓄積を防ぎ、歯周病を予防することが重要(頻度には個人差あり)
歯茎の中の歯石・歯周病のことなら岩野歯科クリニックへ
小田急線 成城学園前駅 北口より徒歩1分。月・水・金は20:00まで、火・木・土は18:00まで診療。お仕事帰りでも通いやすい環境で、歯周病専門医がお一人おひとりのお口の状態を丁寧に確認します。他院でのセカンドオピニオンも歓迎です。

「歯茎の中の歯石は、患者様ご自身では気づきにくく、またセルフケアだけでは取り除くことができません。歯周病は痛みを感じにくいまま進行することが多いため、定期的な検査とプロフェッショナルケアがとても大切です。当院では、歯周病専門医の立場から一人ひとりのお口の状態を丁寧に評価し、できるだけ歯を残せる治療をご提案しています。些細なことでもお気軽にご相談ください。」