コラム

歯周病

歯周病をわかりやすく説明!原因・進行段階・治療法を専門医が解説

「歯ぐきから血が出る」「口臭が気になる」「歯がぐらつく気がする」

こうした症状を感じながら、「そのうち治るだろう」と放置していませんか?

実は、これらはすべて歯周病のサインである可能性があります。歯周病は、日本歯周病学会の資料によれば45歳以上の国民の半数以上が罹患しているとされており、歯を失う原因の第1位でもある非常に身近な病気です。しかし、初期段階では痛みがほとんどないため、気づかないまま進行してしまうケースが後を絶ちません。

この記事では、歯周病専門医・指導医として、25年以上の臨床経験を持つ私が、歯周病の原因から進行段階、治療法、全身疾患との関係まで、できるだけわかりやすくお伝えします。

歯ぐきの違和感が気になる方へ

東京都世田谷区で歯周病の進行状況や治療方法について確認したい方は、岩野歯科へご相談ください。

「歯ぐきが腫れる」「口臭が気になる」という方にも向いています。

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歯周病とは何か〜細菌感染から始まる慢性炎症

歯周病は「細菌感染に伴う慢性炎症性疾患」です。

口の中には700種類以上の細菌が存在しています。その中でも歯周病に関わる細菌が、歯と歯ぐきの境目(歯肉溝)に蓄積することで炎症が起こります。この細菌の塊が「歯垢(プラーク)」です。

歯垢は、食後8時間ほどで形成され始め、放置すると石灰化して「歯石」になります。歯石になってしまうと、歯ブラシでは取り除けません。歯石の表面はざらざらしており、さらに細菌が付着しやすい環境をつくります。

歯周ポケットとは何か

健康な歯ぐきでは、歯と歯ぐきの境目の溝(歯肉溝)は1〜2mmほどです。

しかし、細菌による炎症が続くと歯ぐきが腫れ、この溝が深くなります。深くなった溝を「歯周ポケット」と呼びます。ポケットが深くなるほど、歯ブラシが届かない部分が増え、細菌がさらに繁殖しやすくなります。悪循環が生まれるわけです。

炎症が歯ぐきだけにとどまっている段階を「歯肉炎」、歯を支える骨(歯槽骨)にまで及んだ段階を「歯周炎」と呼びます。歯周炎が進行すると、歯槽骨が溶けていき、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。

歯周病を悪化させるリスク因子

歯周病の直接の原因は細菌ですが、進行を早めるリスク因子があります。

  • 喫煙:歯ぐきの血流を悪化させ、免疫機能を低下させます
  • 糖尿病:血糖コントロールが悪いと歯周病が重症化しやすくなります
  • ストレス:免疫力を低下させ、細菌への抵抗力が弱まります
  • 不正咬合・歯ぎしり:歯周組織への過剰な負担が炎症を悪化させます
  • 口呼吸:口腔内が乾燥し、細菌が繁殖しやすくなります

当院では、初診時の問診で糖尿病や高血圧などの全身状態も必ず確認しています。歯周病はお口だけの病気ではないからです。

歯周病の進行段階〜軽度・中等度・重度の違いを知る

歯周病は、ある日突然重症になるわけではありません。

段階を追って少しずつ進行していきます。各段階の特徴を知ることで、自分の状態を把握する手がかりになります。

歯肉炎(初期段階)

歯ぐきだけに炎症が起きている段階です。

主な症状は、歯ブラシをあてると出血する、歯ぐきが赤くなる・腫れる、といったものです。骨への影響はまだなく、この段階でしっかりケアすれば完全に回復できます。痛みがほとんどないため、「少し出血するだけ」と軽視されがちですが、ここが治療の最大のチャンスです。

軽度〜中等度歯周炎

炎症が歯槽骨にまで及び始めた段階です。

歯周ポケットの深さは4〜6mm程度になります。歯ぐきが下がって歯が長く見えるようになったり、口臭が気になったりすることがあります。歯槽骨の吸収が始まっていますが、適切な治療で進行を止めることが可能です。この段階で来院される患者様が最も多いです。

重度歯周炎

歯周ポケットが6mm以上に深くなり、歯槽骨の吸収が著しく進んだ状態です。

歯がぐらつく、噛むと痛い、歯と歯の間に食べ物が詰まりやすい、といった症状が現れます。放置すると歯が自然に抜け落ちることもあります。他院で「抜歯しかない」と言われた方が当院を受診されることも少なくありませんが、歯周外科治療や歯周組織再生療法によって、歯を残せる可能性があります。

 「歯周病は痛くないから大丈夫」ではなく、「痛くないから気づかないうちに進んでいる」のです。

歯周病の治療法〜段階に応じたアプローチ

歯周病の治療は、進行の程度によって異なります。

ただし、どの段階であっても最初に行うのは「歯周基本治療」です。これは、歯周病治療の根幹となる治療であり、セルフケアとプロフェッショナルケアの両輪で進めていきます。

歯周基本治療(すべての段階に共通)

歯周基本治療では、以下を行います。

  • ブラッシング指導:正しいブラッシング方法を歯科衛生士が丁寧に指導します
  • スケーリング:歯の表面や根の表面に付着した歯垢・歯石を専用の器具で除去します
  • ルートプレーニング:歯根の表面を滑らかにし、細菌が再付着しにくい状態にします
  • 咬み合わせの調整:歯周組織への過剰な負担を軽減します

それ以外にも、

虫歯治療:虫歯があるとプラークが溜まりやすくなります。

不良補綴物・修復物の除去:被せものや詰め物に段差があると、そこにもプラークが溜まりやすくなり、歯周病のリスクとなります。段差のある被せものや詰め物は出来るだけ外して、プラークコントロールのしやすい環境を整える必要があります。

当院では、認定歯科衛生士が在籍し、衛生士担当制を採用しています。同じ衛生士が継続的に担当することで、患者様の口腔内の変化を細かく把握し、より精度の高いケアが可能です。

ブラッシングは「磨いているつもり」と「磨けている」は全く別物です。毛先が歯と歯ぐきの境目に確実に当たっているか、鏡を見ながら確認する習慣をつけることが大切です。1ヶ所につき10〜20回、小刻みに動かすことがポイントです。

歯周外科治療(中等度〜重度に適応)

歯周基本治療だけでは改善が不十分な場合に行います。

歯周ポケットが深く、器具が届かない部分の歯石を取り除くために、歯ぐきを切開して直視下で処置を行います。これにより、ポケットの深さを減少させ、清掃しやすい環境をつくります。

歯周組織再生療法(骨の再生を目指す)

失われた歯槽骨を再生させる治療です。

特殊な材料(エムドゲインやGTR膜など)を使用し、骨や歯周組織の再生を促します。すべての症例に適応できるわけではありませんが、条件が整えば歯を長期的に保存できる可能性があります。当院では歯周組織再生療法にも対応しており、他院で抜歯と言われた歯を残す治療に取り組んでいます。

メインテナンス(治療後の継続管理)

治療が終わっても、歯周病との戦いは続きます。

歯周病は再発しやすい病気です。定期的なメインテナンス(通常3〜6か月ごと)で、歯垢・歯石の除去と口腔内の状態チェックを繰り返すことが、長期的な歯の保存につながります。

歯周病の早期発見を考えている方へ

歯石除去やクリーニングを含め、現在の状態に合わせた治療方法をご案内しています。

「まだ痛みはないけれど不安」という方にも向いています。

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歯周病と全身疾患の関係〜ペリオドンタルメディスンとは

歯周病は「お口だけの病気」ではありません。

近年、歯周病と全身疾患の関連性が多くの研究で明らかになっています。この考え方を「ペリオドンタルメディスン」と呼びます。当院では、この視点を診療の根幹に置いています。

歯周病と糖尿病の双方向の関係

糖尿病と歯周病は、互いに悪影響を与え合う関係にあります。

糖尿病があると免疫機能が低下し、歯周病が重症化しやすくなります。一方、歯周病による慢性炎症は血糖コントロールを悪化させることが知られています。歯周病を適切に治療することで、血糖値の改善につながる可能性があります。当院では必要に応じて医科と連携しながら治療を進めています。

心臓病・脳卒中との関連

歯周病菌が血流に乗り、心臓や血管に影響を与える可能性があります。

歯周病患者は、そうでない方と比較して心臓病や脳卒中のリスクが高まるという報告があります。歯周病菌や炎症性物質が血管の動脈硬化を促進すると考えられています。

早産・低体重児出産との関係

妊娠中の歯周病は、早産や低体重児出産のリスクを高める可能性があります。

歯周病による炎症性物質が子宮収縮を引き起こすメカニズムが指摘されています。妊娠を考えている方や妊娠中の方は、特に歯周病のケアを大切にしていただきたいと思います。

日本歯周病学会は2025年に「歯周病と全身と健康2025」というガイドラインを発行しており、歯周病と全身疾患の関連性についての最新の知見がまとめられています。

自宅でできる歯周病予防ケアのコツ

歯周病予防の基本は、毎日のセルフケアです。

どんなに優れた治療を受けても、日常のケアが不十分では再発してしまいます。患者様によく「先生、何が一番大事ですか?」と聞かれます。答えはシンプルです。「毎日の丁寧なブラッシングと、定期的なメインテナンスです」と。

正しいブラッシングのポイント

  • 毛先を歯と歯ぐきの境目に45度の角度で当てる
  • 小刻みに(1〜2mm程度)動かす
  • 力を入れすぎない(毛束がまっすぐな状態で歯面に当たる程度)
  • 1ヶ所につき10〜20回磨く
  • 1日1回は5分以上かけて丁寧に磨く(特に就寝前)

歯間ケアの重要性

歯ブラシだけでは歯間部の汚れは60〜70%しか除去できないとされています。

歯間ブラシやデンタルフロスを使うことで、歯ブラシが届かない歯と歯の間の歯垢を効果的に除去できます。歯間ブラシのサイズは、歯科医院で自分に合ったものを選んでもらうことをお勧めします。

定期検診の習慣化

セルフケアだけでは取り除けない汚れがあります。

1〜3か月に1回の定期検診で、プロフェッショナルクリーニングを受けることが歯周病予防の要です。早期発見・早期治療が、歯を長く守る最善の方法です。

岩野歯科クリニックの歯周病治療の特徴

当院は、東京都世田谷区成城の成城学園前駅から徒歩1分の場所にあります。

院長である私は、日本歯科専門医機構認定の歯周病専門医として、歯周病専門の大学病院(日本大学歯学部歯周病学講座)で13年間研鑽を積んだ後、2012年に開院しました。現在は日本大学歯学部臨床教授、東京科学大学大学院非常勤講師、国際インプラント学会(ITI)フェローも務めています。

専門性の高い診療体制

当院の最大の特徴は、歯周病専門医が直接診察する体制です。

認定歯科衛生士が在籍し、衛生士担当制を採用しているため、検査から歯周基本治療、メインテナンスまで同じ衛生士が継続的に担当します。院長は日本口腔インプラント学会の専門医・指導医でもあるため、複合的な問題にも対応できます。

包括的な診療アプローチ

歯ぐきの炎症だけを見るのではなく、咬み合わせや全身疾患まで含めた包括的な診療を行います。

問診では糖尿病や高血圧などの全身状態も確認し、必要に応じて医科と連携しながら治療を進めます。ペリオドンタルメディスンの考え方を大切にしているため、歯周病が全身に与える影響も意識した診療を心がけています。

セカンドオピニオンも積極的に対応

「他院で抜歯しかないと言われた」という方も、ぜひご相談ください。

歯周病科出身であるため、歯茎の手術や歯周組織再生療法にも対応しています。患者様はもちろん、他院の先生からのご紹介も受け入れています。十分な時間をとり、検査・診断・コンサルテーションを実施した上で、患者様に最適な治療法をご提案します。

まとめ〜歯周病は早期発見・早期治療が何より大切

歯周病は、初期段階では痛みがなく、自覚症状が乏しい病気です。

しかし、放置すれば確実に進行し、歯を失うだけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼします。「歯ぐきから血が出る」「口臭が気になる」「歯がぐらつく」といった症状がある方は、できるだけ早く歯科医院を受診してください。

歯周病治療の柱は、正しいセルフケアと専門家によるプロフェッショナルケアの組み合わせです。治療後のメインテナンスを継続することで、歯を長く守ることができます。

「家族を想うように、すべての患者様を想う」という診療理念のもと、患者様一人ひとりに寄り添った歯周病治療を提供しています。

歯周病でお悩みの方、他院でのセカンドオピニオンをお考えの方は、ぜひ岩野歯科クリニックへご相談ください。

成城学園前駅から徒歩1分。月・水・金は夜20時まで、土曜は18時まで対応・クレジット決済のみ。お気軽にお問い合わせください。

歯を長く残したい方へ

歯周病は進行すると歯を支える骨にも影響するため、早めの確認が大切です。

定期的なメンテナンスを始めたい方にも向いています。

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院長

岩野 義弘

経歴

1999年新潟大学歯学部卒業1999年日本大学歯学部歯周病学講座入局2005年歯科インプラント科兼任2012年日本大学歯学部歯周病学講座退局2012年岩野歯科クリニック開院2014年日本大学歯学部兼任講師2025年日本大学歯学部臨床教授2025年東京科学大学大学院 医歯学総合研究科
口腔再生再建学分野/口腔インプラント科 非常勤講師2025年国際インプラント学会
ITI(International Team for Implantology)フェロー

所属学会・資格