コラム

歯周病

若いのに歯周病になるのはなぜ?20〜30代で増える原因と今すぐできる対策

「まだ若いから歯周病は関係ない」——そう思っていませんか?

実は、20代ですでに2割以上が歯周病の所見を持つというデータがあります。歯ぐきの出血や口臭、朝起きたときの口のネバつき…。そういった「なんとなくの違和感」を放置していると、気づかないうちに歯を支える骨が溶け始めているかもしれません。

歯周病は「サイレント・ディジーズ(沈黙の病)」とも呼ばれ、痛みが少ないまま静かに進行します。若い世代こそ、早期発見と正しい知識が歯を守る最大の武器になります。

この記事では、20〜30代に歯周病が増える原因から、今すぐできる予防・治療まで、歯周病専門医の立場からわかりやすく解説します。

若いうちから歯周病対策を始めたい方へ

東京都世田谷区で歯ぐきの腫れや出血、口臭が気になる方は、岩野歯科クリニックへご相談ください。

早期発見・早期ケアが将来の歯を守る第一歩になります。

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若い世代の歯周病、実態はどうなっている?

歯周病は「中高年の病気」というイメージが根強くあります。

しかし実際のデータを見ると、その認識は大きく変わります。厚生労働省の調査では、15〜19歳で14.3%、20〜24歳で21.2%に歯周ポケット4mm以上が確認されています。歯周ポケットが4mm以上というのは、顎の骨が半分ほど溶けた「中等度の歯周病」に相当します。

さらに、歯肉出血(歯ぐきからの出血)に着目すると、10〜14歳で40.2%、15〜19歳で34.7%、20〜24歳で42.3%と、いずれの年代でも半数近くが出血を経験しています。10〜24歳全体で見ると、約4割が歯周病予備軍に相当するという計算になります。

また、15〜39歳を対象にしたアンケートでは、52%が「口の中で気になる症状がある」と回答しています。口臭、歯ぐきの腫れ、出血、朝のネバつき…。これらはすべて歯周病のサインである可能性があります。

  なぜ若いのに歯周病になるのか?主な原因を解説

若い世代の歯周病には、いくつかの特有の原因があります。

口腔ケア不足と磨き残し

歯周病の最大の原因は、歯垢(プラーク)の蓄積です。

20〜30代は仕事や学業、交友関係で多忙な時期。歯磨きが「なんとなく」になりがちです。特に歯と歯の間や奥歯の溝は、歯ブラシだけでは汚れを落としきれません。デンタルフロスや歯間ブラシを使わないと、磨き残しが蓄積し続けます。

また、「力を入れてゴシゴシ磨けばきれいになる」と思っている方も多いですが、強すぎるブラッシングは歯ぐきを傷つけ、炎症を招くこともあります。正しい磨き方を身につけることが、予防の第一歩です。

歯石の放置

磨き残した歯垢が石灰化すると「歯石」になります。

歯石は表面がザラザラしており、細菌が付着しやすい構造をしています。歯周病菌の温床となりやすく、放置すると歯ぐきの炎症が悪化します。歯石はセルフケアでは除去できないため、歯科医院での専門的なクリーニングが必要です。

喫煙・不規則な生活習慣

喫煙は、歯周病の大きなリスク要因です。

タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素は血管を収縮させ、歯ぐきへの酸素・栄養の供給を妨げます。その結果、歯ぐきの抵抗力が落ち、炎症が悪化しやすくなります。また、喫煙者は歯周病の症状が出にくい(出血しにくい)ため、気づいたときには重症化しているケースも少なくありません。

さらに、夜遅くまでの生活、食事の不規則さ、慢性的なストレスも免疫力を低下させ、歯周病の進行を後押しします。

唾液の減少と歯並びの問題

唾液には、口の中を洗い流す・酸を中和する・抗菌成分を届けるといった重要な役割があります。

ストレスや睡眠不足、アルコール・カフェインの過剰摂取によって唾液が減ると、口腔内の細菌が繁殖しやすくなります。また、歯並びが乱れていたり、親知らずが斜めに生えていたりすると、清掃性が著しく低下し、磨き残しが生じやすくなります。

ホルモンバランスの変化(思春期・妊娠期)

若い女性に特有のリスクとして、ホルモンバランスの変化があります。

思春期には「思春期性歯肉炎」が起こりやすく、女性ホルモンが豊富な環境を好む歯周病菌が増殖しやすくなります。適切に歯を磨いていても歯周病に罹患することがあるため、注意が必要です。妊娠中も同様に、ホルモンバランスの変化によって歯ぐきが炎症を起こしやすくなります。

若年性歯周炎(侵襲性歯周炎)とは何か

若い世代の歯周病の中でも、特に注意が必要なのが「侵襲性歯周炎(若年性歯周炎)」です。

10〜30代の若年層に発症しやすく、通常の歯周病とは異なり、急速かつ重度に歯周組織が破壊されていくのが特徴です。発症頻度は比較的まれですが、進行が速いため、気づいたときには歯を失うリスクが高まります。

遺伝的要因と特定の歯周病菌

侵襲性歯周炎の発症には、遺伝的な要素が深く関わっています。

同一家系内に複数の患者が存在する例もあり、遺伝子レベルでの研究が進んでいます。広島大学の研究グループは、常染色体優性侵襲性歯周炎の原因遺伝子が「MMD2」であることを世界で初めて特定しました。この発見により、早期診断や予防医療の実現が期待されています。

また、侵襲性歯周炎の患者では、細菌に対する好中球(免疫細胞)の遊走能力が低下していることも確認されています。つまり、免疫系の機能不全が歯周組織の急速な破壊につながっている可能性があります。

歯周病の進行が心配な方へ

歯磨きをしても出血する、朝起きると口がネバつくなどの症状がある場合は、一度歯周病検査を受けてみませんか。

症状が軽いうちに原因を確認することが大切です。

岩野歯科クリニックに相談する

侵襲性歯周炎のサインを見逃さない

侵襲性歯周炎は、一般的な歯周病よりも進行が速いのが最大の特徴です。

若くして歯がぐらつく、歯と歯の間に隙間ができてきた、歯ぐきが急に下がってきた——こういった症状がある場合は、早急に歯周病専門医への相談をお勧めします。「若いから大丈夫」という思い込みが、最も危険です。

歯周病が全身に与える影響〜ペリオドンタルメディシンの考え方

歯周病は「お口だけの病気」ではありません。

「ペリオドンタルメディシン」という考え方があります。

これは、歯周病と全身疾患の関連性を重視する医療の考え方です。歯周病菌が出す毒素は歯ぐきの毛細血管から血流に乗り、全身を巡ります。その結果、さまざまな全身疾患との関連が指摘されています。

  • 糖尿病:歯周病菌の毒素がインスリン抵抗性を高め、血糖コントロールを困難にする可能性があります
  • 心筋梗塞・動脈硬化:歯周病菌が血管内に入り込み、炎症を引き起こすリスクがあります
  • 早産・低体重児出産:妊娠中の歯周病は、早産や低体重児出産のリスクを高める可能性があります
  • 誤嚥性肺炎:口腔内の細菌が誤嚥によって肺に入り込むことで、肺炎を引き起こすことがあります

若い世代でも、将来の全身健康を守るために、今から歯周病対策に取り組む意義は非常に大きいと言えます。

当院では、問診の段階で糖尿病や高血圧などの全身状態も確認し、必要に応じて医科と連携しながら治療を進めています。歯周病治療は、お口の健康だけでなく、全身の健康を守ることにつながるという考えを大切にしています。

今すぐできる!若い世代の歯周病予防・対策

予防は、治療よりもはるかに簡単です。

正しいブラッシングとフロスの習慣

歯周病予防の基本は、毎日の正しいセルフケアです。

歯ブラシは歯面に対し90度の角度で当て、小刻みに動かすのが基本です。力を入れすぎず、歯ぐきを傷つけないよう注意してください。歯と歯の間はデンタルフロスや歯間ブラシを使って、磨き残しを除去しましょう。

「毎食後に磨いている」という方でも、磨き方が不十分であれば歯周病は進行します。一度、歯科医院でブラッシング指導を受けることをお勧めします。

定期的な歯科検診とクリーニング

3月に1度の定期検診が、歯周病の早期発見に最も効果的です。

自覚症状がなくても、歯科医院では専門的な検査で歯周ポケットの深さを測定し、初期段階の歯周病を発見できます。また、セルフケアでは除去できない歯石を専門的にクリーニングすることで、歯周病菌の温床を取り除くことができます。

「痛くなってから行く場所」ではなく、「健康を維持するために通う場所」として歯科医院を活用してほしいと思います。

生活習慣の見直し

禁煙は、歯周病予防において最も効果的な生活習慣の改善のひとつです。

また、規則正しい食生活・十分な睡眠・ストレス管理も、免疫力を維持し歯周病の進行を抑えるために重要です。砂糖の多い飲食物の摂取を控え、水やお茶を積極的に飲む習慣も、口腔内環境の改善につながります。

歯周病の治療法〜早期発見が歯を守る鍵

歯周病は、進行度によって治療法が異なります。

歯肉炎の段階なら完全回復が可能

炎症が歯ぐきだけにとどまっている「歯肉炎」の段階であれば、適切なブラッシングと歯科医院でのクリーニングによって、完全に回復することができます。

歯肉炎のサインは、歯磨き時の出血・歯ぐきの赤みや腫れです。この段階で気づいて対処できれば、歯周炎への移行を防ぐことができます。

歯周炎への進行を止める基本治療

炎症が歯槽骨(歯を支える骨)にまで広がった「歯周炎」では、より積極的な治療が必要です。

スケーリング(歯石除去)やルートプレーニング(歯根面の清掃)によって、歯周ポケット内の細菌と汚染された歯根面を徹底的に清掃します。これが歯周病基本治療の核心です。

重度歯周病には歯周外科治療・再生療法も

基本治療だけでは改善が難しい重度の歯周病には、外科的な治療が必要になることがあります。

歯周外科治療では、歯ぐきを切開して歯根面を直接清掃します。さらに、溶けてしまった歯槽骨を再生させる「歯周組織再生療法」も、条件次第です。

当院では、他院で「抜歯しかない」と言われた歯でも、できる限り残す治療を追求しています。歯周病科出身の院長が、歯ぐきや再植の手術にも対応しており、重度の歯周病でも諦めずにご相談いただければと思います。

岩野歯科クリニックの歯周病治療の特徴

当院は、東京都世田谷区成城の成城学園前駅から徒歩1分の場所にあります。

院長である私は、日本歯科専門医機構認定の歯周病専門医として、歯周病とインプラントの専門性を活かした治療を提供しています。「家族への治療に挑むのと同じ気持ちで」——これが私の診療の原点です。

認定歯科衛生士による衛生士担当制

当院では、認定歯科衛生士が在籍し、衛生士担当制を採用しています。

検査から基本治療、そしてメインテナンスまで、同じ担当衛生士が継続してサポートします。患者様のお口の変化を長期的に把握し、きめ細かいケアを提供できる体制を整えています。

包括的診療とペリオドンタルメディシン

歯ぐきの炎症だけを見るのではなく、咬み合わせや全身疾患まで含めた包括的な診療を重視しています。

問診では糖尿病や高血圧などの全身状態も確認し、必要に応じて医科と連携しながら治療を進めます。歯周病と全身疾患の関連性を意識した「ペリオドンタルメディシン」の考え方に基づく診療が、当院の大きな特徴です。

セカンドオピニオンも積極的に対応

「他院で抜歯と言われたが、本当に抜くしかないのか確認したい」——そういったご相談も、積極的にお受けしています。

患者様ご自身はもちろん、他院の先生からの紹介も受け入れています。十分な時間をとり、検査・診断・コンサルテーションを丁寧に実施します。1時間の診療時間を確保していますので、疑問や不安をしっかりお話しいただける環境を整えています。

まとめ〜若いうちの対策が、生涯の歯を守る

歯周病は、若い世代にとっても決して他人事ではありません。

20代ですでに2割以上が歯周病の所見を持ち、10〜24歳の約4割が歯周病予備軍というデータは、私たち歯科医師にとっても深刻な現実です。しかし、歯周病は早期に発見・対処すれば、確実に進行を止めることができます。

今すぐできることは、3つです。

  • 正しいブラッシングとフロスの習慣を身につける
  • 3月に1度の定期検診を受ける
  • 喫煙・不規則な生活習慣を見直す

「痛くないから大丈夫」は、歯周病においては最も危険な考え方です。

若いうちの1回の検診が、10年後・20年後の自分の歯を守ることにつながります。

歯ぐきの出血、口臭、歯のぐらつきが気になる方、あるいは「自分は大丈夫かな?」と少しでも気になった方は、ぜひ一度、専門医にご相談ください。

当院では、歯周病専門医・指導医の資格を持つ院長が、患者様一人ひとりに寄り添った丁寧な診療を提供しています。世田谷区・成城エリアで歯周病治療をお考えの方、他院でのセカンドオピニオンをご希望の方も、お気軽にご連絡ください。

📍 岩野歯科クリニック

東京都世田谷区成城 / 成城学園前駅 徒歩1分

診療科目:歯科・歯周病科・歯科口腔外科・インプラント・ホワイトニング

土曜日診察あり / 夜20:00まで対応 / 女医在籍 /クレジット決済のみ

詳細・ご予約は公式サイトよりご確認ください。

歯を長く残したい方へ

東京都世田谷区で歯周病予防や定期メンテナンスをご希望の方は、岩野歯科クリニックまでお気軽にご相談ください。

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院長

岩野 義弘

経歴

1999年新潟大学歯学部卒業1999年日本大学歯学部歯周病学講座入局2005年歯科インプラント科兼任2012年日本大学歯学部歯周病学講座退局2012年岩野歯科クリニック開院2014年日本大学歯学部兼任講師2025年日本大学歯学部臨床教授2025年東京科学大学大学院 医歯学総合研究科
口腔再生再建学分野/口腔インプラント科 非常勤講師2025年国際インプラント学会
ITI(International Team for Implantology)フェロー

所属学会・資格