コラム

歯周病

歯周病の手術は必要?治療の流れ・種類・費用を歯周病専門医が解説

「歯周病の手術が必要と言われたけれど、本当に手術しかないの?」「どんな手術なのか、痛くないか不安…」——そう感じている方は少なくありません。

結論からお伝えすると、歯周病の手術(歯周外科)は、スケーリングなどの基本治療だけでは歯周ポケットの奥の汚れを取り除けない場合に選択肢として検討されます。ただし、すべての歯周病患者さんに手術が必要なわけではなく、進行度・歯周ポケットの深さ・骨の状態などによって判断が異なります(個人差があります)。

この記事では、歯周病手術の種類・治療の流れ・費用の目安・手術後のケアまでを、専門的かつわかりやすく解説します。

  • ✅ 歯周病手術が「必要」と判断される条件
  • ✅ 手術の種類と治療の流れ(フラップ手術・再生療法など)
  • ✅ 手術後のケアと再発を防ぐために大切なこと
📋 この記事の目次

「歯周病の手術が必要」と言われたら——よくある不安と疑問

「手術」という言葉に感じる不安

歯科医院で「歯周病が進んでいるので、手術が必要かもしれません」と言われると、多くの方が「痛いのでは」「どれくらい時間がかかるの」「費用はどのくらい?」と不安になります。とくに「歯ぐきを切る」と聞いて、怖くなってしまう方も多いのではないでしょうか。

しかし、歯周病の外科手術は、歯を長持ちさせるために行う治療であり、適切に行うことで歯を守ることにつながります。まずはどのような状態のときに手術が検討されるのか、基本的な知識を整理してみましょう。

「手術しないと治らないの?」という誤解

よくある誤解のひとつが「歯周病になったら必ず手術が必要」というものです。実際には、軽度〜中程度の歯周病であれば、スケーリング(歯石除去)やルートプレーニング、ブラッシング指導といった基本的な治療(歯周基本治療)で改善が期待できるケースも多くあります。

手術(歯周外科)は、あくまでも「歯周基本治療を行っても十分に改善しなかった場合」に検討される、次のステップと考えるとわかりやすいでしょう。いきなり手術を行うことは通常なく、段階的な治療の流れの中で判断されます(個人差があります)。

「抜歯しかない」と言われた歯でも選択肢が残る場合がある

「もう抜くしかない」と言われた歯であっても、専門的な歯周外科や歯周組織再生療法によって、歯を残せる可能性が残っているケースもあります。セカンドオピニオンを活用することで、治療の選択肢が広がることもあります。他院での診断に疑問を感じた場合は、歯周病専門医への相談も選択肢のひとつです。

歯周病手術が必要と判断される条件とは?

まず行われる「歯周基本治療」とその限界

歯周病治療はまず、プラーク(歯垢)や歯石の除去、ブラッシング指導などの「歯周基本治療」から始まります。スケーリング・ルートプレーニングにより、歯周ポケット内の汚れや感染した歯根面を清掃・平滑化していきます。

多くの場合、この段階で炎症が改善し、歯周ポケットが浅くなる効果が期待できます。ただし、歯周ポケットが4mm以上の深さになると器具が届きにくくなり、基本治療だけでは汚れを取りきれないことがあります。このような状態が続く場合に、手術(歯周外科)が選択肢として検討されます(個人差があります)。

Point 01 歯周基本治療の流れ
スケーリング・ルートプレーニングから始まる

歯石・プラークの除去(スケーリング)と歯根面の清掃・平滑化(ルートプレーニング)が歯周基本治療の中心です。これらを丁寧に繰り返し行い、再評価(検査)を経てから手術の要否を判断するのが一般的な流れです。

Point 02 歯周ポケットの深さが判断基準のひとつ
4mm以上・6mm以上で治療の選択肢が変わる

歯周ポケットの深さは歯周病の進行度を測る重要な指標です。一般的に、基本治療後も4mm以上のポケットが残る場合は手術が検討されることがあり、6mm以上になると骨吸収が進んでいるケースが多く、外科的なアプローチが必要になりやすいとされています(個人差があります)。

Point 03 骨の状態・歯根の形態も考慮される
歯槽骨の吸収パターンが治療法の選択に影響する

歯を支える歯槽骨がどのように溶けているか(骨吸収のパターン)は、外科手術の種類を選ぶうえで重要です。垂直的な骨欠損がある場合は、骨や歯周組織を再生する「歯周組織再生療法」が適応となる可能性があります。歯科用CTを用いた精密な診断が、治療方針の決定に役立ちます。

ブラッシング指導「スクラビング法」について

歯周病治療において、毎日のブラッシングは治療効果を左右する非常に重要な要素です。歯科医院での専門的な清掃とともに、患者さん自身のセルフケアが欠かせません。歯周病の治療に際してよく指導されるブラッシング法のひとつにスクラビング法があります。毛先を歯に対して垂直にあて、小さく横に動かして汚れをかき出すシンプルな方法で、多くの方が取り入れやすい手法です。ブラッシング法については担当の歯科医師・歯科衛生士に自分に合った方法を確認することをおすすめします。

歯周病手術の種類と治療の流れ

代表的な歯周外科手術の種類

歯周外科にはいくつかの種類があり、歯周ポケットの深さや骨の状態、患者さんの全身状態などを総合的に判断して選択されます。以下に代表的な手術を紹介します。

手術の種類 主な目的・特徴 保険適用
フラップ手術(歯肉剥離掻爬術) 歯ぐきを切開・剥離し、歯根面の歯石や感染組織を直視下で取り除く。最も基本的な歯周外科。 保険適用あり
歯周組織再生療法(GTR法・エムドゲイン等) 骨や歯周組織の再生を促す治療。垂直的骨欠損がある場合に適応されることが多い。 一部保険適用あり/自費あり
歯肉切除術 増殖・肥厚した歯肉を切除してポケットを浅くする手術。 保険適用あり
遊離歯肉移植術(FGG)・結合組織移植術(CTG) 歯根が露出している部位などに歯肉を移植し、歯ぐきの量を増やす手術。 保険適用あり(術式による)

※保険適用の可否・範囲は術式・状態により異なります。詳しくは担当医にご確認ください。

フラップ手術(歯肉剥離掻爬術)の流れ

歯周外科の中でも最も頻繁に行われるフラップ手術の一般的な流れをご説明します。

まず局所麻酔を行い、歯ぐきを切開して歯根部を露出させます。次に、直視下で歯石や感染した歯周組織を徹底的に除去・清掃します。その後、歯ぐきを縫合して手術完了となります。術後は抜糸(通常1〜2週間後)を行い、治癒を確認しながら定期的に経過観察を行います。局所麻酔下での処置となるため、手術中の痛みは抑えることができますが、術後数日間は腫れや違和感が生じる場合があります(個人差があります)。

歯周組織再生療法とは

歯周病によって溶けてしまった骨や歯周組織を再生させることを目的とした治療が「歯周組織再生療法」です。代表的なものとして、GTR法(組織誘導再生法)や、タンパク質製剤(エムドゲイン)を用いた再生療法などがあります。

垂直的な骨欠損がある歯に対して適応されることが多く、骨の再生が期待できるケースでは、抜歯を回避できる可能性があります。ただし、すべての症例に適応できるわけではなく、骨欠損の形態・深さ・患者さんの全身状態などを踏まえて判断されます(個人差があります)。

歯周外科治療のメリット

  • 基本治療では届かない深い部位の清掃が可能になる
  • 歯周ポケットの改善が期待できる
  • 歯周組織再生により骨の回復が見込めるケースがある
  • 抜歯を回避できる可能性がある

歯周外科治療の注意点

  • 術後に腫れ・違和感が生じる場合がある
  • すべての症例に適応できるわけではない
  • 術後も定期的なメンテナンスが必要
  • 再生の程度には個人差がある

⚠️ ご注意ください

歯周外科手術は、歯周基本治療でセルフケアが十分に習慣化された状態で行うことが前提となります。手術をしても、日々のブラッシングや生活習慣の改善が伴わなければ、再発するリスクがあります。歯周病は「治療して終わり」ではなく、継続的なメンテナンスが欠かせない疾患です。

お口のことでお悩みの際は、ぜひ一度当院にご相談ください。

手術後のケアと再発防止——定期メンテナンスの重要性

術後のセルフケアが治療の成否を左右する

歯周外科手術を受けた後は、術部を清潔に保ちながら治癒を促すことが大切です。手術直後は術部への強い刺激を避けつつ、歯科医師・歯科衛生士の指示に従ったブラッシングを継続することが重要です。

術後のセルフケアが不十分だと、歯周病が再発するリスクが高まります。ブラッシング法の習得は手術の成否を左右するといっても過言ではありません。スクラビング法など、自分に合ったブラッシング法を歯科衛生士にしっかり教わりましょう。

定期メンテナンス(SPT・サポーティブペリオドンタルセラピー)とは

歯周外科を含む一連の歯周病治療が終了した後は、「SPT(サポーティブペリオドンタルセラピー)」と呼ばれる定期的なメンテナンスが推奨されます。これは治癒した歯周組織を長期的に安定させるために、定期的に歯科医院でプロフェッショナルクリーニングや検査を受けることです。

メンテナンスの間隔は、通常3〜6ヶ月に1回程度が目安とされていますが、歯周病の重症度や患者さんのセルフケアの状況によって異なります(個人差があります)。「治療が終わったから通わなくていい」ではなく、定期的に通い続けることが歯を守ることにつながります。

生活習慣の見直しも歯周病予防に重要

歯周病の再発を防ぐためには、口腔内のケアだけでなく全身的な生活習慣の見直しも大切です。喫煙は歯周病を悪化させる大きなリスク因子として知られており、禁煙が推奨されます。また、糖尿病との関連性も広く知られており、全身の健康管理も歯周病対策のひとつとして重要な視点です。

岩野歯科クリニックの歯周病治療へのこだわり

東京都世田谷区成城にある岩野歯科クリニックでは、歯周病治療に関して以下のような体制・方針で取り組んでいます。

  • 🏅 歯周病専門医×インプラント専門医のWライセンス保有院長
    院長・岩野義弘は、日本歯周病学会の歯周病専門医・指導医と、日本口腔インプラント学会のインプラント専門医をともに取得しています。歯周病を深く理解した上でインプラント治療の計画を立てられる体制を整えています。
  • 🔬 大学病院レベルの滅菌・感染対策
    バックフラッシュシステム・ホルマリンガス滅菌器などを導入し、患者さんごとにタービン類をすべて滅菌する徹底した院内感染対策を実施しています。
  • 📡 歯科用CT・口腔内3Dスキャナー導入
    精密な画像診断により、骨の吸収状態や歯根の形態を三次元的に把握した上で治療方針を検討します。モニターを使いながら丁寧なご説明を行っています。
  • 💬 セカンドオピニオン・他院紹介にも対応
    「抜歯しかないと言われた」「他院での診断に疑問がある」という方のご相談も積極的にお受けしています。世田谷区成城・小田急線沿線の患者さんはもちろん、他院の歯科医師からのご紹介も多数いただいています。
  • 🌙 夜間・土曜日も診療(月・水・金は20:00まで)
    月・水・金は20:00まで、火・木・土は18:00まで診療しています。お仕事が忙しくなかなか通えない方にもご利用いただきやすい診療体制です。

👨‍⚕️ 岩野義弘院長からのコメント

「歯周病は、適切な時期に適切な治療を受けることで、歯を長く守ることができる疾患です。大切なのは手術の有無よりも、基本治療から術後メンテナンスまでの一貫したケアを途切れなく続けること。患者さんお一人おひとりの口腔内の状態を丁寧に診て、できるだけ歯を残す方向で治療を考えていきます。『もう手術しかないと言われた』という方も、ぜひ一度ご相談ください。」

よくある質問(FAQ)

Q 歯周病の手術は保険適用されますか?
A フラップ手術(歯肉剥離掻爬術)や歯肉切除術など、多くの歯周外科手術は保険適用となります。ただし、使用する材料や術式によっては自費(保険外)となるものもあります(例:一部の歯周組織再生療法)。詳しくは診察時に担当医にご確認ください。
Q 手術後、仕事や日常生活に影響はありますか?
A 術後数日間は腫れや違和感が生じる場合があります(個人差があります)。激しい運動・飲酒・入浴(長風呂)は術後しばらく控えるよう指示されることが一般的です。デスクワーク等の軽作業は手術翌日から可能なケースが多いですが、担当医の指示に従うことが大切です。
Q 「抜歯しかない」と言われましたが、歯を残す可能性はありますか?
A 歯周病の状態・骨の吸収度合い・歯根の残存量などによっては、歯周外科や歯周組織再生療法によって歯を残せる可能性がある場合もあります(個人差があります)。「抜歯しかない」と言われた方も、一度専門医にセカンドオピニオンを求めてみることをおすすめします。岩野歯科クリニックではセカンドオピニオンにも積極的に対応しています。

まとめ

  • ✅ 歯周病手術は、基本治療では改善しなかった場合に検討される次のステップ。すべての患者さんに必要なわけではない
  • ✅ フラップ手術・歯周組織再生療法など、骨の状態や症状に応じて術式が選択される
  • ✅ 術後も定期メンテナンス・セルフケアの継続が歯周病再発を防ぐ鍵になる
  • ✅ 「抜歯しかない」と言われた場合でも、歯周病専門医へのセカンドオピニオンで選択肢が広がることがある
  • ✅ 東京都世田谷区成城・岩野歯科クリニックでは、歯周病専門医×インプラント専門医のWライセンス院長が一貫して治療にあたる

歯周病・歯周外科についてお気軽にご相談ください

「手術が必要と言われたけれど不安」「他院でのセカンドオピニオンを求めたい」という方も、まずはご相談ください。月・水・金は20:00まで診療、成城学園前駅 北口より徒歩1分。

お口のことでお悩みの際は、ぜひ一度当院にご相談ください。

監修医師プロフィール

著者写真

岩野義弘(院長)

経歴
1999年新潟大学歯学部卒業1999年日本大学歯学部歯周病学講座入局2005年歯科インプラント科兼任2012年日本大学歯学部歯周病学講座退局2012年岩野歯科クリニック開院2014年日本大学歯学部兼任講師2025年日本大学歯学部臨床教授2025年東京科学大学大学院 医歯学総合研究科
口腔再生再建学分野/口腔インプラント科 非常勤講師2025年国際インプラント学会
ITI(International Team for Implantology)フェロー

所属学会・資格
歯学博士
日本歯周病学会 評議員・指導医
日本歯科専門医機構認定 歯周病専門医
日本口腔インプラント学会 代議員・指導医・専門医
日本臨床歯周病学会 認定医
アメリカ歯周病学会 会員
OJ(Osseointegration Study Club of Japan) 理事
日本インプラント臨床研究会 専務理事・サイエンス委員会委員長

※ 本記事は医療広告ガイドラインに基づき、監修のもと作成しています。治療の効果・費用・期間には個人差があります。詳細は必ず医師にご確認ください。