歯石を放置するリスクとは?歯周病や口臭を防ぐために知っておきたいこと

「毎日ちゃんと歯を磨いているのに、なぜか口臭が気になる」
そんな経験はありませんか?
実は、その原因の一つが「歯石」かもしれません。歯石は、毎日の歯磨きでは取り除けない汚れで、放置すると歯周病や口臭、さらには歯を失うリスクにまで発展する可能性があります。
臨床医として25年以上、歯周病治療とインプラント治療に携わってきた経験から、歯石の怖さを身をもって知っています。「痛みがないから大丈夫」と思っているうちに、気づけば歯周病が深刻な段階まで進行していた患者様を、これまで何人も診てきました。
この記事では、歯石が引き起こす具体的なリスクと、お口の健康を守るために知っておきたいことを、専門医の視点からわかりやすくお伝えします。
歯石や口臭が気になる方へ
東京都世田谷区で歯石の除去や歯周病予防について相談したい方は、岩野歯科クリニックへご相談ください。
歯石は歯磨きだけでは取り除けないことがあります。お口の状態を確認しながら適切なケアをご提案しています。
歯石とは何か?プラークとの違いを理解する
まず、「歯石」と「プラーク(歯垢)」の違いを整理しておきましょう。
プラークとは、歯の表面に付着するネバネバした細菌の塊のことです。億単位の細菌が含まれており、虫歯や歯周病の原因菌もこの中に存在しています。

プラークは30分以内に形成が開始され、24から72時間で成熟すると言われています。
そして、このプラークを放置すると、およそ2〜3日で唾液中の石灰分を吸収して石灰化し、「歯石」へと変化します。いったん歯石になってしまうと、どれだけ丁寧に歯磨きをしても、自分では取り除くことができません。
歯石の表面は硬くザラザラしています。そのため、歯石ができると、その上にさらにプラークが付着しやすくなります。つまり、「プラークが溜まる→歯石になる→その上にまたプラークが溜まる→さらに歯石が増える」という悪循環が生まれてしまうのです。
歯石そのものに含まれる細菌は石灰化によって死滅しているため、直接的に虫歯や歯周病を引き起こすわけではありません。しかし、歯石はプラークが付着しやすい環境を作り出すため、間接的に歯周病や虫歯のリスクを大きく高めます。
「歯石は害がない」という誤解が一部にありますが、放置して良いことは何一つありません。
歯石を放置するとどうなるか〜具体的なリスク
歯石を放置すると、お口の中だけでなく、全身の健康にも影響が及ぶ可能性があります。
歯ぐきの炎症と出血
歯石が付着した歯肉(歯ぐき)は、時間が経つにつれて炎症を起こしやすくなります。
歯磨きのたびに出血する、歯ぐきが赤く腫れているという症状は、歯肉炎のサインです。この段階では、適切なケアで改善できる可能性があります。しかし、放置すれば次のステージへと進んでしまいます。
歯周病の進行
歯石は歯ぐきの表面だけでなく、歯ぐきの中(歯周ポケット)にも付着します。
歯周ポケット…歯と歯ぐきの境目にある溝のこと。健康な状態では1〜3mm程度ですが、歯周病が進行すると深くなっていきます。
歯ぐきの中に歯石が残った状態が続くと、歯周病が進行しやすくなります。歯周病は、プラークで繁殖した細菌が歯ぐきを侵し、さらには歯を支える「歯槽骨」と呼ばれる骨まで溶かしてしまう感染症です。
日本人が歯を失う最大の原因は、虫歯ではなく歯周病です。
歯周病は痛みを伴わずに進行することが多く、「気づいたときには手遅れ」というケースが少なくありません。実際に当院でも、「歯がグラグラしてきた」と来院されたときには、すでに重度の歯周病に進行していた患者様がいらっしゃいます。あのとき、もう少し早く来てくださっていれば…と思うことが、今でもあります。

口臭の悪化
歯石は口臭の原因にもなります。
歯石の周囲に溜まったプラーク中の細菌が、揮発性硫黄化合物(VSC)を産生し、強い口臭を引き起こします。この口臭は、ガムやタブレットで一時的にごまかすことはできても、根本的な解決にはなりません。歯石を除去しない限り、口臭は続きます。
見た目への影響
歯石が付着した歯は、見た目にも不潔な印象を与えます。
特に、歯と歯ぐきの境目に黄色〜茶色の歯石が目立つようになると、笑顔に自信が持てなくなる方も多いです。歯石の付着は、審美的な問題にも直結します。
全身疾患との関連
歯周病になると歯ぐきから出血しますが、この出血によって細菌や細菌が作る毒素が全身に行き渡ってしまいます。
現在では、歯周病と糖尿病・心疾患・動脈硬化・誤嚥性肺炎など、さまざまな全身疾患との関連が明らかになっています。糖尿病は歯周病の合併症とまで言われるほど、両者の関係は深いとされています。口の中の問題は、決して口の中だけの問題ではないのです。
歯石はなぜ自分で取れないのか〜正しい除去方法
「自分でなんとかできないか」と思う気持ちは、よくわかります。
しかし、歯石の除去は歯科医院でしか行えません。その理由をお伝えします。
強いブラッシングは逆効果
「強く磨けば歯石が取れる」と誤解している方がいますが、これは危険です。
歯ブラシで歯石を落とすことはできません。強い力でゴシゴシ磨くと、健康な歯ぐきを傷つけたり、歯の表面(エナメル質)を削ってしまうリスクがあります。
市販のスケーラーは使わないこと
インターネットでは、「スケーラー」に似た器具が販売されています。
スケーラー…歯石を除去するための専用器具。先端が尖っており、歯と歯ぐきの境目に付いた歯石を削り取るために使用します。
しかし、自分でスケーラーを使うのは絶対にお勧めできません。鏡を使っても口の中は見えにくく、誤って歯の表面や歯ぐきを傷つけてしまう危険があります。費用を節約しようとして、かえって高額な治療が必要になるケースもあります。
歯科医院での正しい歯石除去
歯科医院では、歯石の量や付着場所に応じて、手動スケーラーと超音波スケーラーを使い分けて除去します。

歯ぐきの表面に付いた歯石は、通常のクリーニング(スケーリング)で取り除けます。しかし、歯周ポケットの深い部分に付着した歯石は、「SRP(スケーリング・ルートプレーニング)」という、より徹底した処置が必要です。
さらに重度の場合は、歯ぐきを切開して歯石を除去する「フラップ手術」が必要になることもあります。歯石除去は、歯周病治療の基本でもあるのです。
歯石除去には、専門的な知識と技術が必要です。訓練を積んだ歯科衛生士・歯科医師に任せることが、安全で確実なケアへの近道です。
歯周病を予防したい方へ
歯石の蓄積は歯ぐきの炎症や歯周病の進行につながることがあります。
岩野歯科クリニックでは、クリーニングだけでなく歯周病のリスクチェックやセルフケア指導も行っています。
歯石を溜めないために〜セルフケアとプロケアの両立
歯石を防ぐ最善の方法は、プラークの段階でしっかり除去することです。
ただし、どれだけ丁寧に歯磨きをしても、プラークを完全に取り除くことは難しいのが現実です。歯と歯の間や、歯ぐきの境目など、歯ブラシが届きにくい場所には、どうしてもプラークが残ってしまいます。
毎日のセルフケアを見直す
まず、毎日の歯磨きの質を高めることが大切です。
- 歯ブラシだけのブラッシングでは、プラークの除去率は一般的に6割程度とされています
- デンタルフロスや歯間ブラシを併用することで、除去率をさらに高めることができます
- 歯科医院でのブラッシング指導を受けると、自分の歯並びに合った磨き方を習得できます
「毎日磨いているから大丈夫」という思い込みが、実は一番危険かもしれません。
3か月に1度の定期メインテナンスを
セルフケアだけでは限界があります。
当院では、プロフェッショナルケアとして、3か月に1度の来院を目安にお伝えしています。定期的なメインテナンスで歯石や歯垢を取り除き、歯石が溜まりにくいお口の環境を維持することが、歯周病予防の基本です。

「痛くなったら歯医者に行く」という考え方から、「痛くなる前に予防する」という考え方へ。この意識の転換が、長くご自身の歯を守ることにつながります。
予防歯科は、治療費の節約だけでなく、生涯にわたる「自分の歯で食べる喜び」を守るための最善の投資です。
歯周病も虫歯も、プロフェッショナルケアとセルフケアの両方で予防できます。どちらか一方では不十分です。両輪で取り組むことが、お口の健康を長く守る秘訣です。
岩野歯科クリニックの歯石除去・予防歯科について
東京都世田谷区成城にある岩野歯科クリニックは、成城学園前駅から徒歩1分の場所にあります。
当院では、予防歯科と歯周病治療の両面から、お口をきれいに保つための継続管理を重視しています。歯石除去と歯周病予防を一体で考え、患者様お一人おひとりに合わせたケアをご提案しています。
専門医による安心の診療体制
当院には、口腔外科専門医・歯周病専門医・口腔インプラント専門医が在籍しています。
歯周病専門医として、歯石除去から歯周病治療まで、専門的な視点で対応いたします。「歯石が気になる」「歯ぐきから血が出る」「口臭が心配」など、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。
プライバシーを守る個室診療室
院内には、患者様のプライバシーを重視した6つの個室診療室を完備しています。
各診療室には専用のモニターやタブレットを設置しており、検査画像や写真を映しながら、わかりやすくご説明することができます。「自分のお口の状態を正確に知りたい」という方にも、安心してご利用いただける環境です。

通いやすい診療体制
当院は、患者様が通いやすい環境を整えています。
- 成城学園前駅から徒歩1分の好立地
- 土曜日診察に対応
- 夜20時までの診療(夜間対応)
- 女医在籍
お仕事帰りや週末にも受診しやすい体制を整えています。
「なかなか歯医者に行く時間がない」という方も、ぜひ一度ご相談ください。
まとめ〜歯石を放置しないことが、歯を守る第一歩
歯石は、放置すればするほどリスクが高まります。
歯ぐきの炎症・出血から始まり、歯周病の進行、口臭の悪化、そして最終的には歯を失うことにもつながります。さらに、歯周病は糖尿病などの全身疾患とも深く関わっています。
「痛みがないから大丈夫」は危険な思い込みです。
毎日のセルフケアを丁寧に行いながら、3か月に1度の定期メインテナンスで歯石をしっかり除去する。この習慣が、長くご自身の歯を守ることにつながります。
「最近、歯石が気になっている」「歯ぐきの状態が心配」という方は、ぜひ一度、岩野歯科クリニックへご相談ください。
成城学園前駅から徒歩1分。専門医が、患者様お一人おひとりのお口の健康を全力でサポートいたします。対話を通じてより良い信頼関係を築くことが、良い診療への第一歩だと考えています。どうぞお気軽にお声がけください。
定期的な歯石除去を検討している方へ
歯石や歯周病の予防を続けたい方は、岩野歯科クリニックへお気軽にご相談ください。
東京都世田谷区で定期検診やクリーニングをご希望の方に、お口の状態に合わせたメンテナンスをご案内しています。
院長
岩野 義弘

経歴
1999年新潟大学歯学部卒業1999年日本大学歯学部歯周病学講座入局2005年歯科インプラント科兼任2012年日本大学歯学部歯周病学講座退局2012年岩野歯科クリニック開院2014年日本大学歯学部兼任講師2025年日本大学歯学部臨床教授2025年東京科学大学大学院 医歯学総合研究科
口腔再生再建学分野/口腔インプラント科 非常勤講師2025年国際インプラント学会
ITI(International Team for Implantology)フェロー
所属学会・資格
- 歯学博士
- 日本歯周病学会 評議員・指導医
- 日本歯科専門医機構認定 歯周病専門医
- 日本口腔インプラント学会 代議員・指導医・専門医
- 日本臨床歯周病学会 認定医
- アメリカ歯周病学会 会員
- OJ(Osseointegration Study Club of Japan) 理事
- 日本インプラント臨床研究会 専務理事・サイエンス委員会委員長
