歯周病で抜歯を回避する方法・専門医が教える再生治療と予防のコツ

「抜くしかない」と言われた。
その一言が、どれほど重く患者様の心に響くか、私は25年間の臨床経験の中で何度も目の当たりにしてきました。歯を失うことへの恐怖、そして「もう手遅れなのか」という絶望感。でも、本当にそうでしょうか?
歯周病専門医として断言します。「抜歯しかない」と言われた歯でも、専門的な精密診断と適切な治療によって、残せる可能性があります。もちろん、すべての歯が救えるわけではありません。しかし、適切な選択肢を知らないまま諦めてしまうのは、あまりにも惜しいことです。
この記事では、歯周病で抜歯を回避するための方法を、専門医の立場から丁寧に解説します。再生治療の仕組みから、セカンドオピニオンの活用法、そして日々の予防まで、歯を守るために知っておきたい情報をお伝えします。
歯周病による抜歯を避けたい方へ
東京都世田谷区で歯周病治療について相談したい方は、岩野歯科クリニックへご相談ください。
歯を残せる可能性があるかを確認しながら、お口の状態に合わせた治療方法をご提案しています。
歯周病が進行すると、なぜ抜歯を勧められるのか

歯周病とは何か…基本から理解する
歯周病は、細菌感染に伴う慢性炎症性疾患です。
歯と歯ぐきの境目に蓄積した「プラーク(歯垢)」の中の細菌が、歯ぐきに炎症を引き起こします。初期段階では歯ぐきが腫れたり出血したりする程度ですが、放置すると炎症が深部へと進み、歯を支える「歯槽骨(しそうこつ)」が少しずつ溶けていきます。
歯槽骨が失われると、歯はぐらつき始めます。そして骨の喪失が一定の限界を超えると、歯を支えることが物理的に難しくなり、抜歯という判断に至るのです。
抜歯を勧められる主な状態とは
では、どのような状態になると抜歯を勧められるのでしょうか。
- 歯周ポケットが非常に深く(8mm以上)、清掃が困難な状態
- 歯槽骨の吸収が根の先端近くまで達している状態
- 歯の動揺が著しく、噛む機能を果たせない状態
- 根の分岐部(複数の根が分かれる箇所)まで病変が及んでいる状態
ただし、これらの状態であっても、専門医による精密な診断と再生療法の適用によって、歯を残せるケースがあります。重要なのは、「どの程度まで骨が残っているか」「炎症のコントロールが可能か」という点です。
一般的な歯科医院では、重度歯周病の治療に特化した設備や経験が十分でない場合があります。そのため、専門医への相談が、歯を残すための第一歩になり得るのです。
歯周組織再生療法とは〜骨を取り戻す可能性

再生療法が生まれた背景
従来の歯周病治療は、感染した組織を取り除いて治癒を促すものでした。
歯石を除去し、炎症を抑え、清潔な状態を維持する。これは今も治療の基本です。しかし、一度溶けてしまった歯槽骨は、従来の方法では回復しないと長い間考えられていました。
その常識を変えたのが「歯周組織再生療法」です。現在では、破壊された歯周組織の再生を促す治療法が確立されており、日本歯周病学会の「歯周病患者における再生療法のガイドライン2023」においても、その有用性がエビデンスとして示されています。
エムドゲインゲルによる再生治療の仕組み
代表的な再生材料として「エムドゲインゲル」があります。
エムドゲインゲルは、歯の発生時に重要な働きをするタンパク質を利用した生体材料です。歯周外科手術の際に患部へ塗布することで、本来備わっている再生能力を引き出します。世界40ヶ国以上で使用されており、発売以来30年が経過していますが、有害事象の報告は1例もなく、安全性が確認されています。厚生労働省の認可を受けた治療法ですが、健康保険は適用されません。
治療の流れはおおよそ以下の通りです。
- 局所麻酔を行い、歯肉を切開して歯根面を露出させる
- 感染した組織や歯石を徹底的に除去する
- 歯根面をエッチング処理してスミア層を除去する
- エムドゲインゲルを歯根面全体に塗布する
- 縫合して治癒を待つ
術後、エムドゲインゲルのタンパク質が歯根表面で不溶性のマトリックスを形成し、新たなセメント質・歯根膜・歯槽骨の形成を促します。
再生治療について詳しく知りたい方へ
東京都世田谷区で歯周病による骨や歯ぐきのダメージについて相談したい方は、岩野歯科クリニックへご相談ください。
検査結果をもとに、現在の状態や治療の選択肢についてわかりやすくご説明しています。
再生療法が適用できる条件
再生療法はすべての歯に適用できるわけではありません。
重要な条件として、まず「プラークコントロールが確立されていること」が挙げられます。いくら優れた再生材料を使っても、口腔内の細菌管理ができていなければ、再生した組織は再び破壊されてしまいます。日本歯周病学会の見解でも、ブラッシングによるプラーク除去が歯周病治療の中心であることが明示されています。
また、骨欠損の形態も重要です。垂直的な骨欠損(縦方向に深い欠損)は再生療法の適応になりやすく、水平的な骨吸収には適応が難しい場合があります。専門医による精密な検査と診断が不可欠です。
包括的診療という考え方〜歯だけを見ない歯周病治療

ペリオドンタルメディシンとは
歯周病は、お口だけの病気ではありません。
「ペリオドンタルメディシン」という考え方があります。歯周病と全身疾患の双方向的な関連性を重視する医学的アプローチです。歯周病と関連が深い全身疾患として、糖尿病・心臓病・早産・低体重児出産などが知られています。
例えば、糖尿病と歯周病は互いに悪化させ合う関係にあります。血糖コントロールが不良だと歯周病が重症化しやすく、逆に歯周病の炎症が血糖値のコントロールを難しくすることがあります。日本歯周病学会は「糖尿病患者に対する歯周治療ガイドライン 改訂第3版(2023年)」を発行しており、医科・歯科の連携の重要性が示されています。
当院が重視する包括的診療とは
岩野歯科クリニックでは、単に歯ぐきの炎症だけを見るのではなく、咬み合わせや全身疾患まで含めた包括的な診療を重視しています。
問診では糖尿病や高血圧などの全身状態を丁寧に確認します。必要に応じて医科と連携しながら治療を進める方針です。歯周病の治療効果を最大化するためには、お口の中だけでなく、全身の状態を整えることが欠かせません。
また、咬み合わせの問題も見逃せません。入れ歯のばねがかかっている歯に過度な負担がかかり続けると、歯を支える骨が吸収されることがあります。歯周病の治療と並行して、咬み合わせの調整を行うことが、長期的な歯の保存につながります。
「歯ぐきだけを診る」のではなく、「その人全体を診る」。この視点が、抜歯回避の可能性を高める鍵だと考えています。
セカンドオピニオンの活用〜諦める前にできること

「抜歯しかない」は本当に最終判断か
他院で「抜くしかない」と言われた患者様が、当院に相談に来られることがあります。
実際に診査してみると、再生療法や歯周外科治療によって歯を残せる可能性があるケースに出会います。もちろん、すべてのケースで歯を残せるわけではありません。しかし、専門医による精密な検査と診断なしに「抜歯しかない」と断定するのは、早計な場合があります。
一般的な歯科医院と、歯周病専門医が在籍するクリニックでは、対応できる治療の幅が異なります。重度歯周病の治療経験や、再生療法・歯周外科手術の技術は、専門的なトレーニングと経験の積み重ねによるものです。
セカンドオピニオンで確認すべきこと
セカンドオピニオンを受ける際は、以下の点を確認することをお勧めします。
- 精密な検査が行われているか…歯周ポケットの深さ、骨吸収の程度をレントゲンで詳細に確認
- 再生療法の適応を検討しているか…骨欠損の形態と再生の可能性を評価
- プラークコントロールの指導があるか…治療前後の口腔衛生管理の方針
- 全身疾患との関連を考慮しているか…糖尿病など全身状態の確認と連携体制
- 長期的な治療計画が示されているか…治療後のメインテナンス計画まで含めた説明
岩野歯科クリニックでは、セカンドオピニオンを積極的に実施しています。患者様はもちろん、他院の先生からのご紹介も受け入れています。十分な時間をとり、検査・診断・コンサルテーションを実施します。
専門医に相談するタイミング
「まだそこまで悪くないから大丈夫」と思っているうちに、気づけば手遅れになっていた…。そんな患者様を何人も診てきました。
以下のような症状がある方は、早めに専門医への相談をお勧めします。
- 歯ぐきが腫れたり出血したりする
- 口臭が気になる
- 歯がぐらつく感覚がある
- 歯ぐきが下がってきた気がする
- 他院で「重度歯周病」「抜歯が必要」と言われた
歯周病は早期発見・早期治療が何より重要です。症状が軽いうちに対処することで、再生療法を必要とせずに歯を守れる可能性が高まります。
日々の予防こそが最大の抜歯回避策

ブラッシングが治療の中心である理由
歯周病治療で最も大事なのは、日々のブラッシングです。
歯科医院での処置(歯石の除去や手術)は重要ですが、毎日歯に付着するプラークを自分でしっかり除去することが、歯周病治療の根幹です。いくら優れた再生療法を行っても、プラークコントロールができていなければ、再生した組織は再び壊されてしまいます。
一般的には「プラークコントロールレコード」というスコアが20%未満になることを目指し、それが達成できてから歯石除去等の治療を行います。ただし、歯周病の程度やリスクによって目標値は異なります。
歯間ブラシとフロスの重要性
歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れを落とすことはできません。
「歯間ブラシ」や「デンタルフロス」を毎日取り入れることで、プラークコントロールのスコアが大きく改善することが期待できます。特に歯周病のリスクが高い方は、歯間ブラシのサイズ選びも重要です。担当の歯科衛生士に相談しながら、自分に合ったサイズを選びましょう。
定期的なメインテナンスの必要性
歯周病は、治療が終わったら終わりではありません。
歯石は適切な歯磨きができていれば本来は付かないものですが、時間が経てばブラッシングが疎かになりやすいのも事実です。また、歯石の付きやすさには個人差があります。一般的には年に3〜4回の定期健診が推奨されています。
岩野歯科クリニックでは、認定歯科衛生士が在籍し、衛生士担当制を採用しています。検査から基本治療、メインテナンスまで、同じ担当衛生士が継続的にサポートする体制を整えています。患者様の口腔内の変化を長期的に把握することで、早期の異変にも気づきやすくなります。
「歯を守るのは、治療室の中だけではない。日常の積み重ねが、歯の寿命を決める。」
この言葉を、私は患者様にいつもお伝えしています。
岩野歯科クリニックの歯周病治療の特徴
歯周病専門医・指導医による診療
院長である私、岩野義弘は、日本歯周病学会認定の歯周病専門医・指導医の資格を保有しています。
1999年に新潟大学歯学部を卒業後、日本大学歯学部歯周病学講座に入局。2012年の開院以来、歯周病とインプラントの専門性を活かした治療体制を整えてきました。2025年には国際インプラント学会(ITI)フェローにも認定されています。
口腔外科専門医・口腔インプラント専門医も在籍しており、複雑なケースにも対応できる体制を整えています。
1時間の診療時間を確保した丁寧な診療
当院では、1時間の診療時間を確保しています。
歯周病・インプラント・審美歯科・入れ歯には様々な手法があります。患者様がどの治療法が自身に合っているかを判断するのは難しいものです。十分な時間をとり、検査・診断・コンサルテーションを実施することで、患者様が納得した上で治療を選択できる環境を大切にしています。
自由診療のため費用は高くかかりますが、その分、時間をかけた丁寧な診療をお約束します。具体的な費用については、診察時に詳しくご説明しますので、お気軽にご相談ください。
アクセスと診療体制
岩野歯科クリニックは、東京都世田谷区成城にあります。成城学園前駅から徒歩1分とアクセスしやすい立地です。
- 月・水・金は夜20時まで土曜は18時まで対応
- 女医在籍
- クレジットカードのみ
お仕事帰りや週末にも通いやすい環境を整えています。歯周病治療は継続性が重要です。通いやすいクリニックを選ぶことも、長期的な歯の健康を守る上で大切な要素です。
まとめ〜歯を残すために、今できることを
「抜歯しかない」という言葉は、必ずしも最終答えではありません。
歯周組織再生療法の進歩、専門医による精密診断、そして包括的な診療アプローチによって、多くの歯が救われる可能性があります。大切なのは、諦める前に専門医に相談することです。
同時に、日々のブラッシングと定期的なメインテナンスが、歯を守る最大の武器であることも忘れないでください。治療と予防の両輪が揃って初めて、長期的な歯の健康が実現します。
歯周病でお悩みの方、他院で抜歯を勧められた方、まずは一度ご相談ください。検査・診断・コンサルテーションを通じて、あなたの歯を残すための最善策を一緒に考えます。
対話を通じてより良い信頼関係を築くことが、良い診療への第一歩だと信じています。何でもお気軽にご質問ください。
岩野歯科クリニック
東京都世田谷区成城(成城学園前駅 徒歩1分)
診療科目:歯科・歯周病科・歯科口腔外科・インプラント・ホワイトニング
診療時間:平日・土曜診療、夜間20:00まで対応
詳細・ご予約は公式サイトよりご確認ください。
歯周病の進行が気になる方へ
東京都世田谷区で歯周病による抜歯リスクについて確認したい方は、岩野歯科クリニックへご相談ください。
早めの診断と適切な管理によって、歯を残せる可能性を検討できます。
院長
岩野 義弘

経歴
1999年新潟大学歯学部卒業1999年日本大学歯学部歯周病学講座入局2005年歯科インプラント科兼任2012年日本大学歯学部歯周病学講座退局2012年岩野歯科クリニック開院2014年日本大学歯学部兼任講師2025年日本大学歯学部臨床教授2025年東京科学大学大学院 医歯学総合研究科
口腔再生再建学分野/口腔インプラント科 非常勤講師2025年国際インプラント学会
ITI(International Team for Implantology)フェロー
所属学会・資格
- 歯学博士
- 日本歯周病学会 評議員・指導医
- 日本歯科専門医機構認定 歯周病専門医
- 日本口腔インプラント学会 代議員・指導医・専門医
- 日本臨床歯周病学会 認定医
- アメリカ歯周病学会 会員
- OJ(Osseointegration Study Club of Japan) 理事
- 日本インプラント臨床研究会 専務理事・サイエンス委員会委員長
